ステージ2
こどもができたことがわかった日の夜に
(だったか、その翌日の夜に)
夫が撮った自分の動画を
3年ぶりくらいに見返した。
お祝いしようと夫が連れ出してくれた
近所にあるちょっといい中華のお店で
3年前の自分がずいぶんと照れくさそうに
夫のインタビューに答えていた。
こどもができた喜び、若干の不安、そわそわするような気持ちを述べ、
気を抜くと嬉し涙が出そうだ、とコメントしていた。
今見ると、とても若いというか初々しいというか幼いというか。
この日は家族のかたちがステージ0からステージ1へステップアップした最初の一歩、という感じだった。
ちょっと興奮したような夫の声と、まだ母ではない自分の姿と、見ていてなんとも懐かしい気分だった。
一昨日の夜、検査薬の反応があった。
翌日、2歳の娘を連れて3人で、
件の中華店で食事した。
3年前と同じように夫が動画を撮り、
家族が増えることへの気持ちをインタビューされた。
娘を膝にのせたままコメントしたそれは、歴短いなりにも母としての落ち着きを感じさせる仕上がりだった。
ゆっくりと、我が家はステージ2に向かって進み始めている。
そしていつかこの街を出ていっても
このお店は特別な場所になり
娘たちが大人になってもふとしたときに
この店での出来事を夫婦で思い返して笑う日が来るのだろう。